研究課題
本研究の目的は、循環器系併存症の観点からみた心原性脳塞栓症患者のデータベースを構築することである。本年度は、まずデータベースに登録する項目を設定し、データベースの骨格を作成し、登録患者を蓄積している。報告者が所属する研究機関においては問題なく患者の登録を行えており、研究遂行に大きな支障は無い。本研究に関連し、本データベースも活用した論文を、本年度1本発表した。現在急性期脳梗塞の治療として注目されている血管内治療に関して、発症から閉塞血管の再開通までの時間が短いほど、患者さんの転帰が改善することが知られている。心原性脳塞栓症は頭蓋内の太い血管が閉塞することが多いことから、この血管内治療の対象として心原性脳塞栓症が多くを占めており、心原性脳塞栓症において血管内治療を用いて転帰改善を行う際には発症から再開通までの時間をなるべく短くする試みが必要であると考える。私は発症から再開通までの時間を短くするシステムの構築を行っており、その効果にを本データベースの情報も援用しながら解析し発表した(Sakamoto Y, et al. J NeuroInterv Surg. 2019)。この際、科研費を援用させて頂き、オープンアクセスとして公表した。このように、比較的順調に研究は進んでいると考えるが、データベースの多施設共有などに課題を残している。自施設では研究遂行、患者登録に支障はないが、今後多施設でのデータベース共有に向けてさらなる調整を行っていく必要があると考える。
3: やや遅れている
心原性脳塞栓症患者のデータベースは蓄積されているが、本研究においては、循環器並存症を加味したデータベースを構築し、多施設間でそれを共有することを目的としている。多施設での共有には個人情報や倫理委員会などの問題があり、やや遅れている。
引き続きデータの蓄積を行う。また、データベースの共有に関しても、協力施設との連携を密に取り推進していく。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
Journal of NeuroIneterventional Surgery
巻: - ページ: Early view
doi: 10.1136/ neurintsurg-2019-015625