研究課題
研究活動スタート支援
発汗は中枢神経からの指令が皮膚の汗腺に伝わることで生じるが、多汗症や無汗症などの発汗障害は原因がどこにあるのか未解明の部分が多い。そこで本研究ではマウスを用いた発汗研究を行うための解析技術の開発を行った。汗腺は複雑なコイル状構造を持つため、その変化を正確に捉えるためには全体を3次元観察することが有効である。まず組織透明化法や染色法の最適化を行うことで、汗腺全体を顕微鏡撮影することに成功した。さらに撮影した汗腺を画像処理によって直線化することで、形態解析を容易に行えるプログラムを作成した。
皮膚科学
多汗症や無汗症などの発汗障害は、その病態が未解明な部分が多く、治療は対症的に行われる場合が多い。発汗は神経系と、汗腺の平滑筋細胞、分泌細胞など多種の細胞の協調によって生じるため、培養細胞を用いた研究には限界があり、マウス等の動物個体を用いた実験が必須である。本研究で確立した、マウスの汗腺を周囲組織を含めて丸ごと形態評価できる新しい手法は、発汗障害の病態解明を通じて医学の発展に寄与するものと考えられる。