研究計画①「不動化による筋萎縮におけるKLF15の発現制御機構の解明」については、不動化性筋萎縮におけるKLF15の上流の制御因子としてC/EBPβおよびδの関与を明らかとした。全身性C/EBPδ欠損かつ骨格筋特異的C/EBPβ欠損マウスを作成して解析したところ、このマウスでは不動化による筋量減少が有意に抑制されることを見出した。
研究計画②「不動化による筋萎縮におけるKLF15の新規な標的因子の探索」については、野生型マウスおよび骨格筋特異的KLF15欠損マウスの、それぞれ不動化処置有りまたは無しの4群で、骨格筋におけるDNAマイクロアレイ解析を行い、特に液性因子や分泌因子に絞って複数の候補遺伝子を抽出した。さらに、これらの候補遺伝子のなかで、ヒト骨格筋生検試料において筋萎縮関連遺伝子と強い相関を示す遺伝子へとさらに絞り込みを行い、マウスおよびヒトで不動化時に共通して増加する液性因子を同定した。この液性因子に対する中和抗体の投与により、不動化モデルマウスにおける筋量減少や筋萎縮関連遺伝子の発現増加が有意に抑制されることが明らかとなった。
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