本研究では、食事の変化による便中および体内の代謝産物や脂肪酸のプロファイルの変化と糖脂質代謝への影響をガスクロマトグラフィーを用いたマウス実験で検討した。水溶性食物繊維のイヌリン投与により糞便および食後の門脈血で酢酸、プロピオン酸の短鎖脂肪酸とコハク酸の増加を認めた。イヌリン群では体重は変わらなかったが、内臓脂肪量の減少と糖代謝の改善を認めた。次に、高脂肪高ショ糖食と同カロリーで脂質量が同等でショ糖量を減らしたマルトデキストリン含有食を摂取したマウスでは、明らかな脂肪肝とインスリン感受性の改善を認めた。本研究により食事の変化による代謝産物と脂肪酸の体内動態、糖脂質代謝への影響が明らかとなった。
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