術後鎮痛として局所麻酔薬を使用することにより癌患者の良好な予後が示唆されているが、そのメカニズムは十分に解明されていない。我々は局所麻酔薬リドカインを投与後、癌細胞株において発現量が変化する遺伝子を網羅的に探索した結果、細胞死を誘導するTRIB3遺伝子のほか、腫瘍抑制効果を有するGrowth differentiation factor (GDF)-15遺伝子の発現が増加し、癌細胞株の増殖が抑制されることを示した。実際に癌細胞株へリドカインを投与すると癌の予後因子として重要な増殖マーカーKi-67が低下した。
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