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2020 年度 実績報告書

IFALD克服へ向けた水素の抗酸化作用導入による革新的治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K24017
研究機関鹿児島大学

研究代表者

池江 隆正  鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (90363613)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2021-03-31
キーワード短腸症候群 / IFALD / 抗酸化物質 / 水素水
研究実績の概要

短腸症候群(SBS)患児らは、長期絶食下での完全静脈栄養(TPN)による術後管理が必要となる。TPN管理下におかれたSBS患児が腸管不全関連肝障害(IFALD)を発症すると、予後に多大な影響を及ぼす。IFALDは、生体内でのフリーラジカルによる組織障害が原因の一つとして報告されている。一方、近年医療分野において水素を新たな抗酸化物質として治療に用いる研究が進んでおり、生体内でのフリーラジカルによる組織障害を軽減することが知られている。当研究では、水素を用いたハイドロゲン・ナノバブルを作成し、IFALDモデルラットに投与し、抗酸化作用を導入した画期的な予防法・治療法を開発することを目的とした。
まずは既存の水素ガスを封入したハイドロゲン・ナノバブルの作成を検討した。水素の溶存や、溶存水素濃度の維持のため、既存の生理食塩液の輸液バッグに水素を溶存させる、水素封入輸液製剤を使用することとした。
SDラットに中心静脈カテーテル留置と大量腸管切除を行い、2週間のTPNを行い、IFALDモデルラットを作成した。2週間のTPNでは、実験プロトコルを完了するまでに主に肝不全で死亡するラットが多くTPN期間の再検討が必要であった。1週間のTPNで生存率が上昇し、IFALDモデルの作成過程で安定した成績を残せた。水素封入輸液製剤の投与経路は、経静脈投与としたが、既存の輸液キットでは溶存水素濃度の維持が困難であった。実際に、溶存水素濃度は3時間後には半分以下に低下することが判明したため、当初計画していた24時間持続の経静脈内投与は困難であると判断した。1週間のTPNでIFALDを発症することは、肝臓の組織学的所見で明らかとなった。
今後の課題は、溶存水素濃度を維持した状態での水素封入輸液製剤投与方法の確立である。実際に投与実験を行い、病理組織学的評価とともに酸化ストレスの指標を測定する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Prophylactic efficacy of enteral antifungal administration of miconazole for intestinal perforation, especially for necrotizing enterocolitis: a historical cohort study at a single institution2020

    • 著者名/発表者名
      Torikai Motofumi、Sugita Koshiro、Ibara Satoshi、Ishihara Chie、Kibe Masaya、Murakami Kenichi、Shinyama Shin、Mukai Motoi、Ikee Takamasa、Sueyoshi Kazunobu、Noguchi Hiroyuki、Ieiri Satoshi
    • 雑誌名

      Surgery Today

      巻: 51 ページ: 568~574

    • DOI

      10.1007/s00595-020-02125-0

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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