研究課題
脊椎固定術は変形や不安定性を伴う様々な病態に対して広く行われている術式であるが、骨粗鬆症患者における脊椎固定術後の偽関節率は約30%にも上るという報告もある。偽関節率などの合併症を減少させQOL改善につなげるためにも骨粗鬆症治療はますます重要となってきている一方、新規薬剤が脊椎固定術における骨癒合率に対して与える影響は未だ明らかではない。本研究は、マウス脊椎骨癒合モデルを用いてマウスにおける脊椎固定術後の骨癒合が、どのような組織学的変化を伴い進展していくかを、マイクロCTや組織学的評価、骨形態計測などから解析し明らかにすることを目的とした。8週前後のC57BL/6Jのマウスを用いて、下関節突起を切除することで椎間関節を癒合させる比較的低侵襲で簡便な脊椎骨癒合モデルを作成した。骨癒合の経時的変化を確認するため、術後経時的にマイクロCTを用いて評価した。その結果、術後8週から12週にかけて骨癒合する傾向にあることをマイクロCTや組織学的評価で確認できた。また、骨粗鬆症モデルとして卵巣摘出手術(OVX)を行ったのち同じく経時的に評価を行い、OVX後8週で骨梁数や骨梁幅が減少することが確認できた。以上得られた時系列のデータをもとに、C57BL/6Jのマウスを用いてOVXを行い骨粗鬆症を誘導後、新規骨粗鬆症薬投与しマイクロCTや組織学的に評価を行い、新規骨粗鬆症薬が脊椎の骨癒合にどのような影響を与えるかどうか引き続き解析を進めている。
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http://www.u-tokyo-ortho.jp/