マウスの嗅球と聴覚皮質を同時に観察する技術を確立した。 本研究は聴覚、平衡覚、嗅覚などの感覚が長期に障害された際、中枢神経回路にどのような変化が生じるかを明らかにする為に、①複数感覚伝導路における長期イメージング系を確立し、②末梢感覚器から脳にいたる神経回路の3次元イメージングを行うこと、を計画した。初年度にフラビン蛍光イメージング法にて末梢感覚器を刺激した際に応答する感覚皮質を同定する手法を確立できたが、末梢感覚器から脳までの連続イメージング技術することが出来なかった。 本年度は多点同時イメージング法技術を確立をこころみた。初年度に確立したフラビン蛍光イメージングにて聴覚皮質を同定した後に、嗅球と聴覚皮質の上の頭蓋骨を2mmと3mmのデルマパンチと鑷子を用いて除去させた後、脳実質にGRINレンズを挿入させた。顕微鏡を用いてGRINレンズ越しに脳実質がGRINレンズ面に接着したことを確認した後、GRINレンズを0.1mm深部に挿入させ、10分安静後にGRINレンズと周囲骨を固定することで長期観察可能なwindowを安定して作成できることが明らかとなった。GRINレンズ挿入2週後からminiscopeをGRINレンズに接続させた。接続時間を日々延ばすことで全例でawakeでのminiscope接続が可能であった。一方、頭部を固定した状態での多点同時イメージングは可能であったが、free movingでは安定して撮影することが出来なかった。
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