研究課題/領域番号 |
19K24031
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
坂本 進 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (00845406)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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キーワード | 蝸牛 / 支持細胞 / Id / 有毛細胞 / 再生 |
研究実績の概要 |
当該年度に新たに筆頭著者の論文を含め2報の論文がアクセプト、出版された。今回、アクセプトされた論文はId遺伝子群の哺乳類蝸牛発生における役割について研究したものであるが、Id遺伝子群の役割をさらに検討するうえで、支持細胞におけるId遺伝子群の働きを調べようと考えている。 pHes5creERT2マウスは支持細胞特異的にでCreERT2が発現するマウスで支持細胞特異的にId遺伝子群をノックアウトしようと考えている。また、支持細胞特異的3重ノックアウトマウス(Id1-Id3をノックアウトする)を作成したが、表現型は軽微であった。これはId4遺伝子がId1-3の機能を補完しているものと考えられたため、支持細胞特異的4重ノックアウトマウス(Id1-Id4すべてをノックアウトする)の作成を行うことにした。 支持細胞特異的4重ノックアウトマウスを作成するために、当該年度においては、Id4floxマウスの作成、Id2floxマウスの譲渡依頼を行っているところである。 PHes5CreERT2マウスのCreERT2の発現はすべての支持細胞ではないため、CreERT2が発現する細胞を標識するためにR26-LSL-CFPマウスをレポーターとして使用しようと考えている。Id4重ノックアウトマウスにおいて組み換えが生じた細胞はCFP陽性となり細胞ごとの追跡が可能となり、また、FACSソーティングを行うことで、シングルセルRNAseqにて遺伝子発現の変遷を調べることができるようになる。 以上の計画を完遂することでId遺伝子群の蝸牛支持細胞での役割を解析しようと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
支持細胞特異的Id3重ノックアウトの表現型が軽微であったためId4重ノックアウトを作成する方針としたためやや計画から遅れている。IdfloxマウスをCrispr-Cas9システムを使用し作成しているが、ファスマック社に注文したssDNAが注文1か月後に作成できないとのことで急遽別の部位にFlox配列を挿入する予定としている。また、新型コロナウイルス感染症の影響で物品(特に抗体)に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
Id4floxマウスを作成し、支持細胞特異的4重ノックアウトマウスの作成表現型の解析を行う。シングルセルRNAseqを行い、Id4重ノックアウトマウスでの遺伝子発現の変遷を調べ、考察を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由 科研費の交付決定が10月であったため、主に半年の研究機関しかなかったため。外当年度は主にマウス作成に経費を使用し、RNAseqなど費用の掛かる研究は次年度になるため。
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