脂肪細胞と全身性強皮症の血管障害との関わりを調べるため、脂肪細胞特異的Fli1欠損(Fli1 AdipoKO)マウスを作成し、血管障害の有無、機序について検討した。12週齢Fli1 AdipoKOマウスでは血管の構造、機能異常、特に骨髄由来の新生血管の異常が見られた。骨髄由来間葉系幹細胞(BM-MSCs)は未熟な周皮細胞で見られるフェノタイプを示し、そのフェノタイプはIL-6により誘導された。脂肪細胞におけるFli1の発現低下がIL-6の発現上昇を介してBM-MSCsを未熟な周皮細胞を作るフェノタイプに変化させ、それにより生じた未熟な周皮細胞が未熟な血管を作り血管障害を起こす機序が示唆された。
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