われわれは子宮内膜症の病態形成や増悪に関わるPGC-1αに着目してきた。PGC-1αが作用を示すRXR受容体はPPAR受容体などと共役するが、子宮内膜症においてはRXRはホモダイマー、またモノマーとして働く可能性があることを明らかにした。またPGC-1αは局所の低酸素や低栄養環境でその働きを強め、糖やエネルギー代謝に影響を及ぼして病態の進展に関わる可能性を示した。マウスを用いた実験ではRXRの働きを抑えるHX531が子宮内膜症の個数や重さを減少させることも確認した。これらよりPGC-1αは子宮内膜症において病態形成の中心的役割を果たすこと、HX531は新規治療薬として有用である可能性を示した。
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