研究課題/領域番号 |
19K24062
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
佐々木 直樹 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (40848305)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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キーワード | 糖尿病性腎症 |
研究実績の概要 |
糖尿病の合併症の1つとして糖尿病性腎症があげられるが、近年、歯周病がそのリスク因子として影響を与える可能性が注目されてきている。本研究では、糖尿病モデルマウスに対し、P.gingivalisを口腔内投与・静脈内投与し、腎臓の機能・組織学的評価、遺伝子発現の網羅的な解析および16S rRNAに基づいた腸内細菌叢解析を行い、糖尿病性腎症の進行と歯周病との関連を明らかにする。腎臓糸球体由来の細胞株を用いて、P.gingivalisのLPSによる腎臓への影響を評価する。また、歯周炎を有する糖尿病性腎症患者に歯周治療を行い、歯周治療が糖尿病性腎症を改善する可能性について検討する。 これまでの研究では、4週齢のマウスに50mg/Kgストレプトゾトシンを5日間連続投与し、3週間後に血糖値が400mg/dl を超えたマウスを糖尿病モデルマウスとした。その後、P. gingivalisまたは生理食塩水を週2回、口腔内投与・静脈内投与し、8週後に採尿ケージを用い採尿後、尿量・尿中のアルブミン量を比較した。 24時間での尿量の平均値はP.gingivalisを投与した群では、生理食塩水を投与した群に比較し有意に多くなり、アルブミン量の平均値は、有意差はなかったものの、同様にP.gingivalisを投与した群で多いという結果となった。 今後は腎臓の機能・組織学的評価、遺伝子発現の網羅的な解析および16S rRNAに基づいた腸内細菌叢解析を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
解析に関しては少し遅れている部分があるが概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
マウス実験の解析をすすめ、さらに腎臓糸球体由来の細胞株を用いて、P.gingivalisのLPSによる腎臓への影響を評価する。また、歯周炎を有する糖尿病性腎症患者に歯周治療を行い、歯周治療が糖尿病性腎症を改善する可能性について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度までに行う予定であったマイクロアレイ解析が一部のサンプルでまだ行えていないため次年度使用額が生じている。次年度にこの解析も含め、細胞株を用いた P. gingivalis LPS の糸球体への影響への評価、歯周炎を有する糖尿病性腎症患者への歯周治療介入による腎機能への影響の評価を行っていく予定である。
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