研究課題
これまでの研究では、糖尿病モデルマウスに対し、P.gingivalisを口腔内投与・静脈内投与し、腎臓の機能・組織学的評価、腎臓の遺伝子解析を行なった。4週齢のマウスに50mg/Kgストレプトゾトシンを5日間連続投与し、3週間後に血糖値が400mg/dlを超えたマウスを糖尿病モデルマウスとした。その後、P. gingivalisまたは生理食塩水を週2回、口腔内投与・静脈内投与し、8週後から採尿ケージを用い採尿後、尿量・尿中のアルブミン量を比較した。24時間での尿量の平均値はP.gingivalisを投与した群では、生理食塩水を投与した群に比較し有意に多くなり、アルブミン量の平均値は、有意差はなかったものの、同様にP.gingivalisを投与した群で多いという結果となった。その後、10週後と16週後に安楽殺を行い、腎臓の組織切片の評価を行なった。糸球体でのメザンギウム基質の増加、糸球体基底膜の肥厚について比較したが、両群での明らかな差は認められなかった。腎臓の皮質の遺伝子解析では、炎症に関連する遺伝子はP.gingivalisを投与した群での有意な上昇が認めたが、腎臓の有足細胞マーカーでは有意な差は認められなかった。今後は、結果を元に評価時期や糖尿病モデルの作成方法など検討や、遺伝子発現の網羅的な解析および16S rRNAに基づいた腸内細菌叢解析、糸球体由来の細胞株へのP.gingivalis LPS刺激による分化への影響の評価についてさらなる実験が必要と考える。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
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