口腔乾燥症による唾液分泌量の低下は歯科補綴治療に際し問題となることが多い。本研究では、Cftr増強薬(Ivacaftor:VX-770)を応用し唾液分泌機能の回復・増強に有効か評価することで、Cftrと唾液腺機能との関連について調査することを目的とした。Ex vivo顎下腺灌流実験の結果、コントロール群と比較してCftr増強薬を投与した実験群では唾液分泌量に変化はなかった。しかし、分泌唾液中のイオン濃度やpHを測定したところ、実験群でNa+およびCl-濃度が有意に低値を示した一方で、 pHは有意に高値を示した。 以上より、Cftr機能の増強によって唾液の質が変化していることが明らかとなった。
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