研究課題/領域番号 |
19K24088
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
立浪 秀剛 富山大学, 附属病院, 医員 (30850268)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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キーワード | 腫瘍免疫 / 口腔癌 |
研究実績の概要 |
本研究では、PD-1免疫チェックポイント阻害剤の効果を左右する存在として、担癌宿主で増加する2種類のがん浸潤ミエロイド系細胞(マクロファージ系細胞と顆粒球系細胞)に着目している。それは、PD-1免疫チェックポイント分子阻害剤は、宿主の免疫抑制を標的とした治療であるが、先述した2種類のミエロイド系細胞に対して、どのように影響するかについては今もなお不明なためである。これらを明らかにすることで、効率的な複合免疫療法の開発に繋がるものと考えている。 1.SCCVIIおよびNR-S1モデルにおけるミエロイド系細胞の表現型・機能分子発現の違いからそれぞれの遺伝子解析を行う 目的においてSCCVIIおよびNR-S1細胞株をDNAマイクロアレイ解析し、遺伝子スクリーニングを行うことに関しては既に本大学内外注を行い結果待ちの状態である。その結果から関連する分子を標的とした治療戦略を検討する予定である。 2.SCCVII由来マクロファージ系細胞あるいはNR-S1由来顆粒球系細胞がおよぼすエフェクターT細胞への影響を検討することに関してはSCCVIIおよびNR-S1モデルの腫瘍細胞からの顆粒球系細胞あるいはマクロファージ系細胞を高い濃度でソーティングできるよう予備実験中である。 3. 口腔癌臨床応用を考えた治療について検討する ゲムシタビンは、本邦では臨床応用がなく、これと類似した代謝拮抗薬である5-FUとPD-1免疫チェックポイント分子阻害療法の併用効果を検討することに関しては、5-FUの投与量、時期について予備実験を遂行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の3項目の目的に対して初年度としては概ね順調に進展している。特に1に関しては、既に中間報告結果が出ており予定通りの結果が示されている。最終結果をもってPD-1免疫チェックポイント分子阻害療法に併用薬剤を追加し治療実験を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
先述の通り、PD-1免疫チェックポイント分子阻害剤を用いた新規複合免疫療法に加え、既存の薬剤との併用効果についてを治療実験から有用性の有無について、ある程度判断できると予想している。
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次年度使用額が生じた理由 |
1.SCCVIIおよびNR-S1モデルにおけるミエロイド系細胞の表現型・機能分子発現の違いからそれぞれの遺伝子解析を行う 目的においてSCCVIIおよびNR-S1細胞株をDNAマイクロアレイ解析し、遺伝子スクリーニングを行うことに関しては既に本大学内外注を行い結果待ちの状態である。その結果から関連する分子を標的とした治療戦略を検討する予定である。2.SCCVII由来マクロファージ系細胞あるいはNR-S1由来顆粒球系細胞がおよぼすエフェクターT細胞への影響を検討することに関してはSCCVIIおよびNR-S1モデルの腫瘍細胞からの顆粒球系細胞あるいはマクロファージ系細胞を高い濃度でソーティングできるよう予備実験中である。3. 口腔癌臨床応用を考えた治療について検討する 上記の3項目の目的に対して初年度としては概ね順調に進展している。特に1に関しては、既に中間報告結果が出ており予定通りの結果が示されている。最終結果をもってPD-1免疫チェックポイント分子阻害療法に併用薬剤を追加し治療実験を予定している。
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