研究課題
本研究では、PD-1免疫チェックポイント阻害剤の効果を左右する存在として、担癌宿主で増加する2種類のがん浸潤ミエロイド系細胞(マクロファージ系細胞と顆粒球系細胞)に着目している。それは、PD-1免疫チェックポイント阻害剤は、宿主の免疫抑制を標的とした治療であるが、前述した2種類のミエロイド系細胞に対して、どのように影響するかについては今もなお不明なためである。これらを明らかにすることで、効率的な複合免疫療法の開発に繋がるものと考えている。さらに、口腔癌臨床で使用可能な薬剤を考慮したPD-1免疫チェックポイント阻害併用療法についても検討したいと考えている。1.2種類のミエロイド系細胞が腫瘍増大と共にがん微小環境に浸潤する理由を探る2. 2種類のミエロイド系細胞の成熟過程で機能分子発現がどのように変化するか比較する3.2種類のミエロイド系細胞がエフェクターT細胞の機能に影響するか検討する4. ミエロイド系細胞阻害戦略:ヒト口腔癌で適応可能なミエロイド系細胞の除去効果のある5-FUを低濃度で前投与しPD-1免疫チェックポイント阻害剤の投与効果を検討する5. ミエロイド系細胞の形質変換戦略:ミエロイド系細胞の分化誘導の可能性が示唆されている抗コロニー刺激因子-1 受容体(CSF1R)抗体とPD-1免疫チェックポイント阻害剤の併用投与効果を検討する1-3に関しては、SCID口腔癌マウスモデルを用いることでミエロイド系細胞を焦点に、その機能を探ることを可能とした。T細胞が存在しない場合、ミエロイド系細胞が癌増大に影響しない現象を発見した。さらに、TRL3アゴニストは、ミエロイド系細胞は性質変化をもたらし癌増大を抑制した。現在、これらの現象を探究している。したがって、4・5は当初の予定から除外し研究を進めている。
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