研究実績の概要 |
本研究は組織内に注入可能な足場材の開発ならびに筋組織再生を目的とする。第一段階とし細胞増殖因子徐放型ゼラチンハイドロゲル(IG+P(G))の分解反応および細胞増殖因子の徐放能の検討を行った。 <方法>田畑ら1に倣い多血小板血漿およびbFGFを徐放粒子に取り込ませた細胞増殖因子徐放粒子を作製した。PRPはラットから作製し、bFGFには褥瘡・皮膚潰瘍治療剤であるフィブラストスプレーを用いた。細胞増殖因子徐放粒子を穴水2らの方法に倣いインジェクタブルゲルに添加し、IG+P(G)を作製した。IG+P(G)を試験管内でコラゲナーゼ分解を行い1、3、6、12、24、36、48、72、120、168、216時間後に上清を回収し、各上清のゼラチンおよびbFGFの量を計測し、IG+P(G)の分解反応および細胞増殖因子の徐放能について検討した。ゼラチンはBCA法を、bFGFはELISA法を用いて計測を行った。 <結果>IG+P(G)はコラゲナーゼ反応により24時間で70%が分解され、168時間で完全に分解された。bFGFについてはコラゲナーゼ処理後24時間で75%程度放出され、168時間は徐放能が継続することが確認された。 <今後の展開>IG+P(G)を脂肪幹細胞と共にラット咬筋に注入し、生体内での移植幹細胞の歩留まりや筋組織への影響について評価を行う。 1. Tabata, Y., et al. Biodegradation of hydrogel carrier incorporating fibroblast growth factor. 2. Anamizu, M., Y. Design of injectable hydrogels of gelatin and alginate with ferric ions for cell transplantation.
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