今年度はRunx2ホモ欠損マウスを用いて、鎖骨頭蓋異形成症における蝶形骨翼状突起の低形成に対するRunx2の機能の解明を試みた。胎生期の野生型・Runx2ヘテロ欠損・ホモ欠損マウスそれぞれの蝶形骨翼状突起における細胞増殖の程度をみるために抗PCNA抗体を用いた免疫組織化学染色を行った。その結果、ホモ欠損マウスでは他の2タイプと比べて有意にPCNA陽性率が低いことが明らかとなった。続いて胎生18.5日の蝶形骨翼状突起の幅・長さの計測をおこなった。その結果Runx2ホモ欠損マウスでは幅・長さともに他の2タイプとくらべて有意にその長さが短いことが明らかとなった。 以上より、鎖骨頭蓋異形成症における蝶形骨翼状突起の低形成はRunx2のハプロ不全によって細胞増殖活性が低下するため起こることが明らかとなった。
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