抜去歯の歯髄細胞を培養し多角形の肝細胞の形態に類似した細胞に分化させた(Hepatocyte-like cell:HLCs)。この細胞はアルブミンを産生し、アンモニアを尿素に転換し、肝細胞特異的転写因子HNF-4の発現を認めた。肝障害ラットの尾静脈からHLCsを投与すると肝障害の程度が抑制された。次に、門脈内または尾静脈にHLCsを投与した場合、門脈からでは短時間のみ肝臓からHLCsが検出された。尾静脈からでは多くのHLCsが肺から検出された。このHLCsが何らかの因子を産生して、免疫抑制効果や細胞増殖効果を発揮し病態改善に関与する可能性を示した。(Paracrine効果)
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