研究課題/領域番号 |
19K24107
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
坂口 和歌子 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 助教 (50420972)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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キーワード | 関節リウマチ / α-1 antitripsin(A1AT) / 抗CCP抗体 / ACPA / 唾液検査 / DBAマウス |
研究成果の概要 |
本研究では、RAモデルマウスの唾液をプロテオミクスにより網羅的に解析し、RAの病因を病理学的観点からも解明した。RAマウスの足関節H-E染色では、関節破壊と炎症細胞の浸潤が見られた。ウェスタンブロットでは、血清、唾液、足首で 46 kDa (A1AT) 、55 kDa (CCP) に対応するバンドが検出され、これらのバンドのプロテオミクス分析により、唾液と血清でシトルリン化 A1AT が同定された。 A1AT と抗 CCP 抗体による足関節の免疫染色は、滑膜上で強い陽性シグナルを示し、A1AT はタンパク質のシトルリン化に関与しており、RA の発症、重症化に関与している可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
環境病理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
関節リウマチ (RA) は病因・病態は未だ解明されておらず、発症の予防や根本的な治療法はまだない。早期に薬物療法を開始することで RAを寛解させ関節破壊を抑制し、機能障害を起こさないようにするには、早期に診断、治療をすることが重要となる。唾液検査は非侵襲的、簡便でスクリーニング検査としても用いやすく、癌や自己免疫疾患など様々な分野で注目されている検査方法で、RAにおいても疾患特異性の高い自己抗体は疾患診断のためのバイオマーカーとなりうる。これらの背景から、唾液を用いて網羅的に解析することでRA発症メカニズム、発症に関与する物質の解明し、唾液による新たな診断基盤を形成していく。
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