咽頭への食品の残留(咽頭残留)は、誤嚥性肺炎の原因となるが、その残留量を評価する方法は確立されていない。食品摂取時に放出される香りは、咽頭を経由して鼻腔に届くことから、鼻腔から香りの強さを測定することで、咽頭残留量を評価できると考えた。 健常成人にて、香料を咽頭に注入しニオイセンサを用いて香りの強さを評価した結果、咽頭注入量の増加に伴い香り強さも大きくなった。また、香気量を推定する近似曲線を算出することで、短い時間での咽頭残留量の評価が可能となった。さらに、嚥下障害者の食事に用いられるトロミ水は安定した香りを放出することから、嚥下障害者においても咽頭残留量を評価できる可能性が示唆された。
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