骨髄由来細胞(BMC)にリコンビナントTNF-α(1~100ng/mL)により刺激した。TNF-αが細胞増殖、細胞形態、コロニー形成能に差は認めなかったため、低濃度TNF-αの刺激では細胞挙動に影響を与えなかった。骨髄細胞を骨、軟骨、神経、脂肪の誘導培地にて培養し、各マーカー遺伝子の発現をリアルタイムRT-PCRにて比較検討した。骨芽細胞、軟骨細胞、神経細胞において、コントロール群の方が高い発現量であったが、脂肪細胞マーカーでは有意差は認めなかった。TNF-αによる短期刺激によって、BMSCの幹細胞の性質を持つ細胞の割合が増加し、骨分化においては一時的に遅延する可能性が示唆された。
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