歯髄炎を低酸素状態がどのように修飾しているのかについて不明な点が多い。本研究においては、ヒト歯髄細胞をLPSにて刺激し、炎症性メディエーター、シグナル経路について検討した。その結果、HIF1aの強制発現により、LPS刺激によるNFkBシグナルの活性化、IL1b、TNFaといった炎症性メディエーター発現がさらに亢進した。一方、IL6産生はLPS刺激により誘導されるが、HIF1aの強制発現により産生が抑制された。IL6はNFkBシグナル以外にCEBP/bシグナルの活性化も関与する。今回、SOCS3がHIF1a存在下で発現が亢進し、LPS刺激下でのCEBP/b産生の制御に関与することを確認した。
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