研究実績の概要 |
我々はこれまでに報告された方法に従い,8週齢雌マウスに,3週間,2回のzoledronate (Zometa; Novartis, Stein, Switzerland) (0.05mg/kg) の皮下投与と,cyclophosphamide (C7397; Sigma-Aldrich, St. Louis, MO, USA) (150 mg/kg) の腹腔内投与を行い,MRONJモデルマウスの作製を行った.薬剤の投与開始3週間後に上顎左右の第一大臼歯の抜歯を行い,その後14,28,56日目の組織を回収し,MRONJが創傷治癒に与える影響をマイクロCTを用いた骨形態学的評価,HE染色による組織学的評価を実施した.なお,抜歯後,週2回のzoledronateの皮下投与は継続し,cyclophosphamide の 骨形態・組織学的解析の結果,薬物の投与を行なっていない対照マウスの抜歯14日後の抜歯窩はほぼ骨により再生している像が観察された.しかし,MRONJモデルマウスの抜歯窩では14,28,56日目の,時期においてもほとんど再生骨が観察されず,細胞成分が少ない疎な組織によって満たされていることを確認した. さらに,我々はMRONJの発症において,どの幹細胞ニッチに影響を与えることで,創傷治癒部位への細胞の動員および創傷治癒に影響を与えるかを明らかにするため,間葉系幹細胞,ニッチを形成する細胞を領域・時期特異的に可視化できる遺伝子改変マウスであるタモキシフェン誘導型マウス・間葉系幹細胞が可視化されたCXCL12-GFPマウス・骨芽細胞,破骨細胞が可視化されたcol1a1-GFP/TRAP-Tomatoマウスの作製を行い,上記マウスを使用して,MRONJモデルの作製を行なっている.
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