加齢に伴う骨格筋の量と機能の低下はサルコペニアと呼ばれ,高齢化が加速している先進国が直面している主要な健康問題となっています.さらにサルコペニアは,死亡率,種々の疾患,QOLに重大な影響を及ぼし,医療費を圧迫している原因となっています.今回の研究からサテライト細胞による骨格筋再生を担うZfp423の遺伝子発現制御メカニズムの一端を明らかにすることができました.現在のところ,サルコペニアを予防・治療する薬剤は存在しません.よって,今後の研究を発展させることにより筋再生を促す手法を確立することができれば,大いに高齢社会の先進国の人々の健康に貢献することが期待されます.
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