本研究の結果は、自治体の政策担当者が地域医療計画や介護保険事業計画を通して、住民の在宅医療・居宅介護サービスへのアクセスを向上させることによって、要介護高齢者の在宅死の望みを支援することができる可能性を示している。日本は他国と比較して在宅死亡割合が低く、最期まで自宅で療養したい高齢者が多いにも関わらず在宅死が遂げられていない者が多い現状を鑑みると、入院病床や介護施設サービスの充実を目指す以上に在宅医療と居宅介護サービスの充実が必要だろう。そして、制度の財政的持続可能性や人的資源確保の実現可能性を考慮したさらなる研究も必要である。
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