今年度は、在日外国人妊産婦へのインタビューおよび専門家会議の結果から、在日外国人妊産婦とそのコミュニティを含む支援プログラムの開発を計画した。在日外国人女性が日本で安全かつ安楽に妊娠・出産・育児を乗り越えるために、在日外国人女性の医療および子育ての現状と要望をふまえ、母子健康手帳交付時の支援、妊婦健康診査時の支援、出産時の支援、育児期の支援をプログラムに取り入れた。在日外国人女性の支援として、言語的な支援のみならず、妊娠早期から看護者との関係性の構築が重要であり、産後まで継続した支援が求められる。また、在日外国人女性のコミュニティは自分の家族や同じ国籍を持つ友人であり、困ったことを相談することはできても、子育てに対する孤独は解消されていないことが明らかになたった。そのため、地域で子育てを行う在日外国人女性が集まれる場を提供していくことも孤独や産後うつの解消に重要と考える。本研究ではプログラムの開発までにとどまっているため、今後は臨床および地域の看護職にプログラムが活用可能であるか検討していく必要があると考える。
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