テストステロン低下が血管内皮機能障害のリスクとなる可能性が考えられるが、本研究成果により、過剰な投与も危険である可能性が示唆された。本邦のテストステロン療法で使用頻度の高いエナント酸テストステロンは、2-4週間に125-250mgを投与するように、テストステロン療法におけるテストステロン製剤の使用方法は個人によって投与量・投与間隔ともに広範に及ぶ。高用量の投与で体内のテストステロンが生理的濃度を超えてしまうことはもちろん、投与間隔によっても悪影響を与えうることが示唆された。従って、漫然とした投与をせず、頻回に血中濃度を測定しテストステロン療法を行っていくことは不可欠であると考える。
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