研究課題
研究活動スタート支援
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の新しいバイオマーカー開発のための基礎的検討として、住民検診受診者を対象に白血球DNAメチル化率を測定し、脂肪肝との関連を解析した。本研究ではHIF3A、TXNIP、SOCSの3種類の遺伝子のメチル化率を測定し、脂肪肝との関連を解析した。その結果、脂肪肝が認められなかった者と比較して脂肪肝が認められた者ではTXNIP遺伝子メチル化率が低値を示した。さらに脂肪肝を重症度別に分けて解析したところ、TXNIP遺伝子メチル化率は重度脂肪肝との関連を示した。
検査医学
近年先進国においてNAFLDが急増しており、国内においても1000 万人以上に達すると推定されている。NAFLDは肝硬変・肝がんに進展するだけではなく、生活習慣病の発症・発展にも関わってため、早期発見が重要課題となっている。DNAメチル化は後天的に遺伝子発現を制御するエピジェネティクス機構の一つであり、疾患の発症・発展に寄与するとされている。疫学研究によりNAFLDとDNAメチル化との関連についてエビデンスを構築することは、DNAメチル化を利用した新たな検査法の開発に貢献することが期待できる。