本研究は、地域在住の高齢者を対象にした股関節運動の制御不全と腰痛との関係性の調査および股関節の運動制御に対する運動プログラムの腰痛への効果検証である。2021年度についても感染症の影響により高齢者での検証が困難であったため、若年者を対象とした予備的検証と一部高齢者での計測を試みた。予備的検証では腰痛者における腰椎股関節運動角度および身体知覚と腰痛との関連性についての検証を実施した。腰痛による能力障害と各テストでの腰椎・股関節の運動角度や自己身体知覚との関連はあるが,テストの種類や角度によって異なるという結果を得ることができ、論文にて報告した(Journal of Physical Therapy Science 33(12) 880-886 2021年)。 また、2020年度に行った高齢者における腰部運動制御能力は運動方向特異性についての検証結果を学術大会(第58回日本リハビリテーション医学会学術集会 2021年6月11日)にて報告した。 本実験として、高齢者に対する運動制御トレーニングの検証について、地域在住高齢者の股関節・腰部の運動制御を調査し、その後トレーニングを実施したが、研究参加者がごくわずかであったため、解析には至らなかったため、継続して計測および介入を実施し、その成果を報告する予定である。
|