研究実績の概要 |
大規模コホートによりSHSと虚血性心疾患(IHD)、脳卒中、および全CVDのリスクとの関連をアジアで初めて検討した。日本各地の40-59歳の非喫煙女性24,232人を追跡調査した。夫が喫煙者であった場合は、喫煙歴なし、喫煙歴あり、喫煙中と分類された。Cox比例ハザードモデルにより夫の喫煙状況に応じたCVDのハザード比(HR)を推定した。40,360人年の追跡期間中に、846人の女性が全CVD(IHD 103人、脳卒中 744人)を発症した。1990年から2012年までの全追跡期間では比例ハザードの仮定は保証されなかったが,その後,10人年未満と10人年以上の追跡期間を分けて検討したところ,同様に保証された。結果は、夫からのSHSは、中高年の非喫煙者女性のIHDリスクを高める可能性がある。
J大学看護学部の女子大学生を対象に受動喫煙に関するアンケート調査を行った。受動喫煙回避行動を促進・抑制する要因については、カイ二乗検定を用いて検討した。直近の1年間で受動喫煙に曝されている割合は、66.5%であった。公共、家庭、友人による受動喫煙の回避行動と家族に受動喫煙回避行動をする者の有無の関連について調べたところ、家族に受動喫煙回避行動をする者がいる場合、受動喫煙回避行動をとっていることが分かった(p < 0.01)。また、受動喫煙に対する態度と公共、家庭、友人による受動喫煙の回避行動との関連を調べたところ、受動喫煙に曝されることについて仕方がないことだと思わない人は受動喫煙回避行動をとっていることが分かった(p < 0.01)。
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