本研究の目的は、看護師の患者指導場面、周手術期にある患者に対する療養環境の整備場面に着目し、それら場面における看護師の思考過程、また看護師の習熟段階による思考過程や思考の内容の特徴を明らかにすることである。心不全のため入院された患者に対する指導場面、手術を受けた患者に対する療養環境の整備場面についての看護記録を抽出し、テキストマイニングを用いて分析した。その結果、看護師の習熟段階が熟達化するに従い、対象の危険を予測し、危険を回避する内容の記録が増加すること、予測している危険な事柄の内容やその根拠に用いる情報が増加する傾向にあることが明らかになった。
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