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2019 年度 実施状況報告書

一酸化炭素中毒死事例の血中CO濃度とミトコンドリア機能に関するマルチオミクス解析

研究課題

研究課題/領域番号 19K24197
研究機関大阪大学

研究代表者

磯部 悠  大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (30848627)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2021-03-31
キーワード一酸化炭素中毒死 / 血中CO濃度 / ミトコンドリア遺伝子変異
研究実績の概要

一酸化炭素(C O)中毒死事例は年間2,000人前後であり、我が国の中毒死亡者の半数近くを占める。法医解剖事例においてもC O中毒が死因と見られる事例が散見されるが、その中には血中C O濃度(C O-H b)が致死的高濃度でないにも関わらず、死に至った事例が複数存在する。本研究では、法医解剖事例におけるC O中毒死事例について、C Oによってミトコンドリア障害を受ける心臓、脳組織などの臓器所見・ミトコンドリア遺伝子の変異・当該組織の遺伝子発現量情報を組み合わせたマルチオミクス解析を実施することにより、致死的ではないC O濃度で死に至る機序の解明を目指すとともに治療への応用を検討する。
本研究の目的は、C O中毒死した法医解剖事例において、①ゲノム変異解析、および②C Oによってミトコンドリア障害を受ける臓器である心臓と脳組織などの遺伝子発現量解析を行い、ミトコンドリア遺伝子変異が酸化的リン酸化能に与える影響を臓器ごとに判定し、低酸素状態への耐性低下の機序を解明することである。
当該年度では、法医解剖事例のうちのC O中毒死事例の性別、年齢、既往歴、火災情報(火元、発見状況など)、心臓や脳組織を中心とする臓器所見と各種生化学検査、メタボローム解析検査所見などのデータベース化を遂行した。また、C O中毒死事例の血液を使用してD N Aの抽出を行い、ゲノムD N Aサンプルを増幅させ、次世代シークエンシングのためのライブラリー調整(D N Aの断片化、D N Aの末端修復など)後、D N Aの品質確認を行った。その後、次世代シーケンサーによる全エクソーム解析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は下記に示す順に遂行する計画である。
①C O中毒死事例の抽出及び臓器所見・検査所見データベース化
②上記事例の全エクソーム解析の実施によるミトコンドリア遺伝子変異の抽出
③上記事例の心臓および脳組織のRNAシーケンス解析による遺伝子発現量解析及びパスウェイ解析の実施
平成26年以降現在まで約1100例の法医解剖を実施しており、これらの事例の中からC O中毒で死亡した患者の性別、年齢、火災情報、脳、心臓を中心とする臓器所見と各種生化学検査、メタボローム解析検査所見などのデータベース化を遂行した。次に、上記②当該事例のミトコンドリア遺伝子変異についてもデータベース化を行うために抽出された事例について全エクソーム解析し、ミトコンドリア遺伝子変異の抽出中である。

今後の研究の推進方策

今後は、上記②の事例の全エクソーム解析の実施によるミトコンドリア遺伝子変異の抽出終了後、データベース化を遂行する予定である。さらに上記③である心臓および脳組織のRNAシーケンスを行い、遺伝子全体の発現量変化からパスウェイ解析、上流解析などを実施し、当該事例の酸化的リン酸化などミトコンドリア機能不全について明確にする予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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