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2022 年度 実施状況報告書

医師の胃瘻造設に対する認識の違いは何に起因しているのか:要因に関する探索的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K24198
研究機関岡山大学

研究代表者

坂本 陽子  岡山大学, 大学病院, 助教 (80845818)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2024-03-31
キーワード終末期医療 / 胃瘻造設 / 高齢者 / attitude / end-of-life care / older persons / tube feeding
研究実績の概要

本研究は、人生の最終段階にある高齢者に対する経皮的内視鏡的胃瘻造設術(PEG)に関する日本の医師の背景と認識を調査し、医師の意識の違いを引き起こす要因を明らかにすることを目的とする。
調査方法は、終末期高齢者の胃瘻造設に関するWebアンケートを日本の医師3000人に送付した。ロジスティック回帰分析により、PEGの推奨度と各要因との関連性のオッズ比(OR)および信頼区間(CI)を算出した。計564名の医師が回答し、26%が寝たきりや終末期の認知機能低下した高齢者に胃瘻チューブ栄養を推奨していた。その結果、胃瘻栄養に対する医師の認識の違いが、PEGの推奨、「誤嚥性肺炎予防のメリット」(OR, 4.9; 95% CI, 3.1-8.2 )、「退院先決定への影響」 (OR, 6.1; 95% CI, 1.9-30.9 )、「差し控え提示への抵抗感」 (OR, 1.9; 95% CI 1.3-4.5) と関連していたことが明らかとなった。さらに、関連する背景因子として、「老人保健施設での勤務」(OR, 0.2; 95% CI, 0.0-4.0) と「PEG造設術実施施設での勤務」(OR, 2.0; 95% CI, 1.2-3.5) が確認された。
結論として、終末期高齢者のPEG造設に対する医師の意向の違いは、PEG栄養の影響に対する医師の認識の違いや勤務する施設の特徴と有意に関連していた。終末期高齢者に対する人工的な水分補給と栄養補給に関するガイドラインを医師に普及させる方法について、さらなる議論と教育が必要であると考える。
上記結果について論文作成し国際誌「Geriatrics & Gerontology International」へ投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年度までは新型コロナの影響で遅れていたが、解析も終了し論文作成、投稿まで終えており、結果の公表を待つ状況である。

今後の研究の推進方策

結果の課題として明らかになった要因に対し、対象者を増やしさらなる仮説検証が必要と考えている。

次年度使用額が生じた理由

現在論文投稿中であり、オープン誌の為投稿費用として充填する予定である。また2023年6月16~18日開催の日本老年医学会学術集会での演題発表のための費用を予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 高齢者への胃瘻造設に関する医師の認識の違いは何に起因しているのか:関連因子の 探索的研究2023

    • 著者名/発表者名
      坂本陽子
    • 学会等名
      第65回老年医学会学術集会

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公開日: 2023-12-25  

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