本研究は漢方薬のポリファーマシーについて詳細に検討した初めての研究であり、漢方薬の多剤併用が看過できない頻度で発生していることを示した。薬剤の多剤併用予防のための処方チェックにおいて漢方薬は対象外のことが多く、その多剤併用や含有生薬の重複・過量は見過ごされてきた可能性がある。こうした未知の医療課題を提示したのが本研究最大の学術的・社会的意義である。 また、本研究では今後漢方薬の多剤併用の具体的な影響を検討する際の要考慮項目も提示した。漢方薬の多剤併用と関連する副作用との関連については後継研究課題で検討予定であり、本研究成果は漢方薬の適正使用に資するエビデンス蓄積の一助にもなったと考えられる。
|