本研究の目的は、在宅医療でのレビー小体型認知症の人や家族への支援に関する看護師の思考と実践内容、および多職種連携における課題を明らかにすることである。40代後半から50代前半の看護師4名に半構造化インタビューを行い、語られた6事例について質的帰納的に分析を行った。 語られた事例において、レビー小体型認知症の人は50代前半から90代前半の男性4名、女性2名であり、幻視が共通する症状であった。5事例がパーキンソニズムの症状を有していた。レビー小体型認知症の人を介護する主家族介護者は40代前半から80代後半であり、妻2名、長男2名、長女2名であった。 分析の結果、看護師は幻視をはじめとするレビー小体型認知症の症状による苦痛が最小限となるように看護を実践し、必ずレビー小体型認知症の人の思いを尊重する姿勢を見出した。家族に対しては、家族が介護以外の時間を確保できるように社会資源利用の選択肢を示していた。多職種連携においては、適切な対応ができるか判断するためにレビー小体型認知症に関する知識の確認を行っていた。これらの結果より、レビー小体型認知症の人を支える専門職者は、主体的にレビー小体型認知症の知識を身につけ、当事者主体の看護を実践することの必要性が示唆された。
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