研究課題/領域番号 |
19K24206
|
研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
梅津 千香子 福井県立大学, 看護福祉学部, 准教授 (20726450)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2024-03-31
|
キーワード | 慢性閉塞性肺疾患 / 終末期 / 訪問看護師 |
研究実績の概要 |
本研究は、北陸地方の機能強化型訪問看護事業所に勤務する訪問看護師を対象に半構造化面接を実施し、グラウンデッド・セオリー・アプローチ(Strauss & Corbin,1990/1999)を用いて、COPDと診断されて訪問看護を利用していた人の終末期における看護の経験の語りから、COPD患者の終末期における訪問看護師の支援モデルを構築する。これにより、終末期に生じる苦痛の緩和をはかりながら、暮らし慣れた環境で療養すること、QOLの維持に向けた具体的な看護支援を提供できるようにするとともに、全ての在宅療養者とその家族が一定の水準の支援を受けられる訪問看護師の実践に向けた理論的枠組みを提示する。2020年度は福井県、石川県、富山県の機能強化型訪問看護事業所に勤務する訪問看護師4名に半構造化面接を実施、2021年度は圏域を広げて対象者を募り、機能強化型訪問看護事業所に勤務する訪問看護師2名に半構造化面接を実施、2022年度は機能強化型訪問看護事業所に勤務する訪問看護師1名に半構造化面接を実施した。研究参加者の同意を得て録音したインタビュー内容の逐語録を作成し、時間の経過に沿ったCOPD療養者の終末期における療養の経過において、研究参加者が捉えた療養者の状態の変化、療養者や家族が必要とする支援、捉えたことに対する判断、捉えたことに対する意味付け、それに対する支援内容または取り組み、その結果として生じた変化に着目して、表現されている言葉や行為の記述部分を抽出している段階である。本研究の対象は、COPDと診断されて訪問看護を利用しながら自宅療養していた人の終末期における看護を経験した訪問看護師歴3年以上の訪問看護師10名程度としている。2023年度も継続して調査を行うとともに収集したデータの分析を進める。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度は、4名の研究協力者を募り、半構造化面接調査を実施する予定としていた。新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて訪問看護事業所での調査が困難な状況が続き、調査協力の承諾を得られたのは訪問看護事業所1施設の訪問看護師1名であった。2019年度、2020年度、2021年度に実施した調査の結果、北陸地方の機能強化型訪問看護事業所を対象とした調査協力施設に不足が生じる可能性が考えられたため、2022年度は圏域を広げて調査を実施している。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は、数名の研究協力者を募り、半構造化面接調査を実施する。北陸地方の機能強化型訪問看護事業所を対象としてCOPD患者の終末期における訪問看護師の支援モデルを構築するために必要なデータが得られない場合は、機能強化型訪問看護事業所に加えて、病院併設訪問看護事業所、24時間対応体制加算、緊急時訪問看護加算の算定指定訪問看護事業所を対象として調査を実施する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2022年度の半構造化面接調査の実施に遅れが生じており、次年度使用額が生じた。2023年度の訪問看護事業所への調査協力依頼書類の印刷・郵送費、半構造面接調査費、逐語録作成費として使用する。
|