研究実績の概要 |
本研究は、機能強化型訪問看護事業所に勤務する訪問看護師を対象に半構造化面接を実施し、グラウンデッド・セオリー・アプローチ(Strauss & Corbin,1990/1999)を用いて、COPDと診断されて訪問看護を利用していた人の終末期における看護の経験の語りから、COPD患者の終末期における訪問看護師の支援モデルを構築する。本研究の対象は、COPDと診断されて訪問看護を利用しながら自宅療養していた人の終末期における看護を経験した訪問看護師歴3年以上の訪問看護師10名程度とした。これにより、終末期に生じる苦痛の緩和をはかりながら、暮らし慣れた環境で療養すること、QOLの維持に向けた具体的な看護支援を提供できるようにするとともに、全ての在宅療養者とその家族が一定の水準の支援を受けられる訪問看護師の実践に向けた理論的枠組みを提示する。研究参加者の同意を得て録音したインタビュー内容は、逐語録を作成し、時間の経過に沿ったCOPD療養者の終末期における療養の経過において、研究参加者が捉えた療養者の状態の変化、療養者や家族が必要とする支援、捉えたことに対する判断、捉えたことに対する意味付け、それに対する支援内容または取り組み、その結果として生じた変化に着目して、表現されている言葉や行為の記述部分を抽出した。研究参加者の概要は、COPDと診断されて訪問看護を利用しながら自宅療養していた人の終末期における看護を経験した訪問看護師歴3年以上の訪問看護師7名であった。訪問看護師歴3年未満の訪問看護師1名については、研究対象者の条件と異なるため、分析対象から除き、訪問看護師歴3年以上の訪問看護師7名を分析対象とした。
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