研究課題/領域番号 |
19K24209
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
菱谷 純子 国際医療福祉大学, 成田看護学部, 准教授 (20586458)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | 次世代育成力 / 母娘関係 / 世代間伝達 / 性成熟期女性 / ヘルスリテラシー / プレコンセプションケア / ジェネラティヴィティ |
研究実績の概要 |
2021年度の成果の一つは母親から性成熟期の娘への次世代育成力の世代間伝達とへルスリテラシーおよび健康との関係について明らかにした研究成果について論文公開の準備をしたことである。本研究論文は日本女性でも次世代育成力は健康に関係すること、母親の次世代育成力は娘の次世代育成力とへルスリテラシーを介し、娘の健康に影響を与えることを量的に明らかにした論文であり、本研究課題で作成する健康支援プログラムの理論的背景となる。なお論文公開はインターネットによる早期公開を経て、2022年度に発行予定である。 さらに2021年は健康支援プログラムで活用するために2020年度に行った「母親からの娘への次世代育成力の世代間伝達の様相」に関するインタビュー調査について分析し一部を学会発表により公開した。データ分析は質的記述的に行い、学会発表は2022年3月に行った。質的記述的に明らかにされた結果は本研究課題で作成する健康支援プログラムで具体的な内容を説明する際に活用する予定である。 2022年度はこれらの研究成果と文献検討、女性の健康に関する専門家からの助言を加えて母親から性成熟期の娘への次世代育成力の世代間伝達を活用した健康支援プログラムを実施する予定であり、2021年度は女性の健康に関する専門家とのネットワークづくりを行った。 健康支援プログラムの実施は介入研究となるため、倫理審査委員会の承認が必要であり、現在は所属施設の倫理審査委員会への申請準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
第一にCOVID-19により質的なインタビュー調査を対面式からオンラインへ変更するための倫理審査会の承認に時間を要し進捗が遅れた。さらに質的記述的分析では専門家の助言を得る必要があったがこれについてもオンラインで行うことに不慣れであり、時間を要した。 これらの経験は2022年度に実施するオンラインでの支援プログラムの実施と評価に活用できる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進方策として第一に調査に関してはリクルートなど業者に委託できる業務を精選し、積極的に活用する。また当初計画よりも遅延しているものの質的調査により貴重なデータを得ることができたことから、その内容について専門家との会議をオンラインで行うことにより、本研究課題である次世代育成力の母娘世代間伝達を通じた健康支援プログラムの作成を推進する。 一方、2021年度研究補助者を活用し、研究を推進する予定であったが人材確保が難しかった。COVID-19感染拡大のため看護職は保健所業務支援、ワクチン接種業務などで人材募集が多く確保できなかったためであり、2022年度もこの状況が継続すると予想される。したがって、看護職のライセンスを持つ研究補助者の雇用は難しいと予想されるため、看護職のライセンスが不要である業務については積極的な業者委託を行うことにより、研究を推進する予定である。 なお、業者委託により新たな経費の支出が必要になり、当初計画よりも研究対象者数を減らした研究計画の立案が必要になる。対象者数の減少は研究の信頼性と妥当性に影響するため、対象者数の決定については予算の限界に留意しつつ、研究対象者の特性を限定し、効果量分析を再度検討することにより、研究の精度の確保に留意する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は研究計画全体が遅れ、支援プログラム実施のための費用が発生しなかったためである。また学会参加のための交通費も発生しなかった。次年度は支援プログラム実施のためのリクルート費用、文献取り寄せなどの図書費、研究成果公開のための論文投稿費用などに使用予定である。
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