研究実績の概要 |
本研究では、新人看護師の組織社会化におけるプロアクティブ行動と看護実践能力との関連を明らかにした。 【研究方法】調査期間は2020年1月~3月。対象者は全国病院一覧データから病床数200床以上の病院を系統抽出法にて300施設抽出し、同意が得られた新人看護師。調査内容は、1)新人看護師の組織社会化によるプロアクティブ行動尺度:20項目5件法、2)看護実践能力自己評価尺度の達成の程度(Clinical Nursing Competence Self-assessment Scale:CNCSS:64項目4件法)、3)個人属性。多重指標モデルを作成し、新人看護師の組織社会化におけるプロアクティブ行動とCNCSSとの関連を検討した。 【倫理的配慮】本研究は大手前大学研究倫理委員会の許可を得て実施した(承認番号20)。調査票の返送をもって同意を確認した。尺度の使用にあたり開発者に使用許可を得た。【結果】66施設の新人看護師1,363名に調査票を配布し、319名(回収率23.4%)から回答が得られた。278名(有効回答率20.4%)を分析対象とした。対象者の背景は、女性が262名(94.2%)、男性が16名(5.7%)、年齢は平均22.8歳(SD=±2.22)であった。 概念枠組みに基づき、共分散構造モデルを構成し分析を行った。結果、RMSEAが基準値を超えていたため、修正指数と改善度を参考にCNCSSの〈看護の基本に関する実践能力〉と〈健康レベルに対応した援助の展開能力〉に共分散を設定し再分析を行った。結果、モデルの適合度は、GFI=0.968、AGFI=0.936、CFI=0.985、RMSEA=0.060であった。プロアクティブ行動からCNCSSへのパス係数は0.54、決定係数は0.29を示した。この結果を論文にまとめているが、職場移動等があり完成していない。
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