呼吸器感染症の流行を早期探知・予測することは計画的な予防薬投与や的確な診断のために重要である。本研究では、RSV感染症について感染症流行の早期探知を目的に、流行動態の把握(実効再生産数のモニタリング)と流行開始基準値の設定を行った。また、新型コロナウイルス感染症パンデミック下における感染症対策がRSV感染症の流行動態に及ぼした影響を、数理モデルを用いて捉え、2022、2023年の流行規模について予測した。感染症流行時期は、感受性(免疫を持たない)宿主数と感染リスクの影響を受けて変動することが示唆された。
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