全身麻酔の術後合併症の一つである睡眠障害は、自閉症スペクトラム障害(以下、ASD)などの障害者において、術後せん妄の発症や概日リズム障害の増悪などを惹起する危険性が示唆されている。しかしながら、術後の異常興奮やせん妄の発症を予防する有効な方法は確立されておらず、術後のASD患者のQOL恒常のためにも早急に解決される必要があると考えられる。本研究は、睡眠周期調整物質であるラメルテオンを全身麻酔の前投薬としての予防投与することで、術前から睡眠周期を正常化することが全身麻酔後の睡眠障害に起因する異常興奮や術後せん妄の軽減に有効であるかを検討した。
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