今後の福島の原発事故からの復興を進めて行くにあたり、福島の現状について「誤解」なく、正しく理解することは第一歩で、必須の事項である。福島にとって、住民の「次世代影響」、「これから起こる健康影響」のような未来に及ぶ「誤解」による不安等がもたらす、QOL低下や精神的な損失等を減らすことは、喫緊の課題と考えられる。本研究の意義は、2021年2月という、震災・原発事故後ほぼ10年における、福島の「誤解」の実態の実証的把握をおこなったことである。また、これら「誤解」の要因と考えられる事項についても尋ねたことで、今後はデータの更なる統計的解析を進め、「誤解」解消の方策を考察することが可能になった。
|