研究課題/領域番号 |
19K24232
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
吉田 智 横浜市立大学, 医学部, 助教 (00846884)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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キーワード | 周麻酔期看護師 / 注視点推移 / 疑似的術中モニター画像 / 疑似的手術室内360度視野映像 / ヒートマップ / ゲインプロット |
研究実績の概要 |
本研究はアイトラッカーを用いて、医療機関に従事する周麻酔期看護師の注視線推移を分析し、行動の起点に至る思考プロセスを推測する。更に熟練度や職種(麻酔科医師、手術室看護師等)による思考プロセスへの影響を明らかにすることを目的とする。 本研究では手術の進行状態や術式などによる影響を排除するため、疑似的に手術室内の様子(360度視野)やバイタルサインの管理に用いる術中モニター画面の映像データが必要となる。 まず視聴試験用映像データを作成した。映像データは術中モニターに表示される平均血圧、心拍数、SpO2、体温、呼吸数などのバイタルサインを疑似的に再現し、術中モニター画面に投影できるものとした。なお映像には手術時に発生しうる血圧低下、期外収縮などのイベントをランダムに導入している。この映像を用いて熟練者と初心者を対象にプレテストを行い、注視線推移の計測ポイントをヒートマップ、ゲイズプロットを用いて注視点推移の変化を捉えること、および解析方法について検討を行った。またデータの適切な解析方法をプレテストの結果から位置と時間の組み合わせを探索し、適切な評価ポイントの検討を行った。 次に疑似的に手術室内の360度視野映像を作成を検討した。撮影前に試験に要する360度映像の視聴時間、データの容量を確認する。更にデータをVRゴーグルへインポートする際のディバイスへの負荷、内蔵されたアイトラッカーでの計測確認、パソコンへのエクスポートなど一連の作業に用いる機材の動作確認と計測・分析負荷の検証を行った。 なお本学倫理委員会による審査を受け承認済みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大防止と医療体制維持のため、医療機関への立ち入りを控える。同様に本研究の被験者である医療従事者に対する映像視聴試験の実施を一時的に中断することを余儀なくされた。
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今後の研究の推進方策 |
緊急事態解除に伴い、医療従事者を対象とした研究活動を再開、被験者のリクルートを開始する。 1.早急に試験に使用する360度視界の疑似手術室内映像の作成を開始する。 2.疑似バイタルデータの映像視聴試験を開始する。視聴モニターにはアイトラッカーを設置し被験者の注視点推移を計測する。疑似手術室内映像はアイトラッカーを内蔵したVRゴーグルを被験者に装着させ映像視聴試験を行う。 3.計測により得られたデータから、職種、熟練度が注視点推移に与える影響を明らかにし、思考プロセスにおける重要ポイントを探索する。 4.重要ポイントを反映させた映像を作成し、視聴による教育効果を評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加予定の学会変更または中止等により、旅費が発生しなかった。また研究・試験に使用する解析ソフト等のレンタル期間の変更等により差額が生じた。
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