本研究はアイトラッカーを用いて、医療機関に従事する周麻酔期看護師と看護師の注視点推移を測定および分析を行い、その行動の起点に至る思考プロセスを推測する。更に熟練度や職種が思考プロセスに与える影響を明らかにすることを目的とする。 バイタルモニターに投影した疑似的バイタルサイン[①心電図(波形)②SpO2(波形)③ABP(観血的動脈圧;波形)④PAP(肺動脈圧;波形)⑤カプノグラム(CO2;波形)⑥HR(心拍数;数値)⑦SpO2(動脈血酸素飽和度;数値)⑧ABP(観血的動脈圧;数値)⑨PAP(肺動脈圧;数値)⑩etCO2(呼吸終末期二酸化炭素分圧;数値)⑪脈拍(数値)⑫末梢温(数値)⑬血液音⑭CO(心拍出量;数値)⑮awRP(呼吸数;数値)]を注視する被験者の視点推移を測定した。このバイタルサインが表示されるエリア毎に視点のX-Y座標から注視回数や注視滞留時間、注視順番を求める。これらのデータを元にヒートマップおよびゲインズプロットにより注視点推移の特徴を視覚化する。またVR (Virtual Reality)ゴーグル投影用に撮影した手術室内の360度画像に対する注視点推移の測定と解析を検討する。またVRゴーグル内で測定した注視点推移にかかわるデータは、すべてX-Y座標の組み合わせからなる2次元のデータであり、奥行きをあらわす座標データが取得できず3次元データとして解析することが不可能となる。そのためバイタルモニター視聴時における注視点推移から思考プロセスと、これに影響する背景因子の探索を行う。
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