産後の尿失禁予防に向けた排尿アセスメント指標の開発を目指して、妊娠後期から産褥早期における下部尿路症状と膀胱内尿量の実態から、産褥早期の下部尿路機能の特徴を探ることを目的とした。経腟分娩を行う単胎妊娠の女性を対象に、妊娠後期から産褥早期において、下部尿路症状と膀胱内尿量を縦断的に調査した。 産褥早期は、尿量が多い一方で尿意が減弱しており、排尿筋の収縮力低下により膀胱が充満しやすい特徴があった。また、産褥4日の尿意減弱は妊娠後期のICIQ-SFスコアが高いほど生じており、産褥4日以降の下部尿路症状は、分娩に伴う神経圧迫だけでなく妊娠に伴うホルモンの変化による影響も反映され得ることが示唆された。
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