研究課題
研究活動スタート支援
CRISPRは原核生物が持つ、スペーサーと呼ばれる外来DNAに由来する短い配列と、スペーサーを挟むリピートを繰り返し単位とする、ゲノム上の繰り返し配列である。皮膚微生物叢中に存在する細菌のCRISPR領域について、そのDNA配列の多様性を解析した。CRISPR領域のスペーサー配列の多様性は個人間で類似性が低く、個人内で類似性が高かったことから、個人特異性が高いと考えられた。
法科学
皮膚の表面にはヒトDNAより多量の微生物DNAが存在していると考えられており、ヒトDNAが十分に採れない場合の個人識別を目的として、これまでに各国で微生物叢の保持する遺伝情報を用いた個人識別法の開発が試みられてきた。しかしながら、先行研究の多くで用いられてきた16S rRNA遺伝子は微生物叢の構造を解析する上での解像度が低く、実用に至った手法はない。本課題で構築したCRISPRを用いた微生物叢解析は、解像度が高く、微生物叢解析による個人識別法の開発の実現につながるものと期待される。