研究課題
研究活動スタート支援
オルソブニヤウイルスは世界各地に広く分布し、ヒトに熱性疾患や脳炎を引き起こす人獣共通感染症の原因となっている。そのうちの一つであるオロプーシュウイルスは南米において多くの感染者が報告されている。本研究では日本国内の野生動物についてオロプーシュウイルスの血清学調査を行った。その結果、国内の野生動物にはすでにオロプーシュウイルスの感染が広まっていることが示された。本研究の結果から、ヒトに感染性を持つオルソブニヤウイルス感染症の国内発生のリスクが高まっている可能性が示された。
ウイルス学
オロプーシュウイルス感染者が報告されているブラジルやペルー等の南米地域では、オロプーシュウイルス感染は節足動物媒介による野生動物間の森林サイクルと、ヒト間の都市サイクルの双方が感染経路として考えられている。本研究課題によって国内に未検出であり人獣共通感染症の原因となるオロプーシュウイルスが、既に国内の野生動物生息地域に侵入している可能性があることを示した。今後ヒトへの感染リスクに対する対策を講じる必要性を提供した。