本研究課題の目的は、職場のストレス要因と従業員の精神的健康の関連が、キャリアを通じて変化する自己の捉え方によってどのように異なるかを明らかにすることである。まず、文献調査と民間企業に勤務する従業員(5名)を対象としたインタビュー調査を通じて、自己の捉え方は、仕事や職場で関わる周囲の人々と自分がどのように差別化され、かつ関係しているかによって特徴づけられることが示唆された。つぎに、民間企業に勤務する従業員(1250名)を対象とした質問紙調査とデータ分析の結果、従業員のなかで自己の捉え方が確立していることが、一部のストレス要因による負の健康影響を低減させる可能性が示唆された。
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