RSVは世界的に流行が見られる下気道感染症の原因ウイルスである。本研究では、RSVの感染伝播に関連する疫学的な解析により、乳児を含む5歳未満児で特に二次感染率が高いことを示した。感染時点およびウイルス排出量の変化を推定する解析の結果、家族が最初に感染したのちのごく早い時期から二次感染が起きることが明らかになった。これらのことから、家族が感染した場合は速やかに感染予防策を実施する必要があることがわかった。また、症状が明らかではない感染者からも感染伝播が起きることから、症状に関わらないデータ収集の必要性が示された。大規模なRSV感染拡大を予防する対策の導入に必要となる知見を得ることができた。
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